wreathについて


wreath(リース)では、セルフヘルプグループのプラットフォームの運営を中心にセルフヘルプグループに関する情報発信や調査を行っています。

セルフヘルプグループとは「共通の悩みをもった当事者の集まり」とされ、全国で推計3,885団体あると考えられます。病気や障害、依存症、不登校、引きこもり、子育て、介護、性的マイノリティなど、本人や家族を対象にしたさまざまな領域のグループが存在します。なかには、ご自身のこれまでの体験にあてはまるグループがあるかもしれません。

日常を過ごしているなかで、自分や大切な人が病気や障害をもったり、事件や事故の被害者や加害者になったりする可能性は、誰しもがもっているのではないでしょうか。また、こうした体験はときに傷つきとして“トラウマ”となり、語られにくいものとして知られています。社会構造の歪みからくる暴力が言葉を奪っていると言えるかもしれません。


一方で、『言葉を失ったあとで』(信田さよ子、上間陽子 著)という本に「自助グループって、語りのフォーマットを手に入れる場所なんですね。」とあるように、セルフヘルプグループにつながることで「言葉を取り戻す」ことがあると思っています。

もちろん、誰に何をどこまで話すか、話さないかは自由です。ただ、言葉が自分を助けたり、また誰かを助けたりすることがあると思っています。困っていることを誰かに伝えられるようになったり、「私も」と抱え込んでいたかなしみをわかちあったり。希望を語ることも意思を示すこともできる。

セルフヘルプグループには言葉を取り戻すという価値があり、そこからよりよく生きていける可能性があると思います。wreathでは、言葉を取り戻せるようセルフヘルプグループの活動を支える取り組みを行い、どのような悩みや生きづらさを抱えたとしても支えあえる社会をつくっていきたいと考えています。


ちなみにwreathという名前は、クリスマスの時期によく見かけるリース(花輪)がセルフヘルプグループに似ているように思ったことがきっかけで、wreathと名付けました。一つひとつの花や草木が紡がれて素敵なリースが出来上がるように、ここで検討するセルフヘルプグループもまた一つひとつの言葉によって新しい何かが生まれていく期待を込めています。


一般社団法人wreath
代表理事 下村真代